2026年5月13日
三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩
【市川レポート】米企業の2026年1-3月期決算と2026年の業績予想
●米主要企業500社のうち88%が2026年1-3月期決算発表を終了、総じて良好な決算内容に。
●ハイテク大手を含む通信サービスと情報技術の2026年の予想EPSは、前年比で2ケタの上昇率。
●良好な業績見通しは株価を支える材料に、ハイパースケーラー4社は引き続き決算内容に要注目。
米主要企業500社のうち88%が2026年1-3月期決算発表を終了、総じて良好な決算内容に
米国では上場企業による2026年1-3月期の決算発表が続いています。英ロンドン証券取引所グループ(LSEG)のデータによると、S&P500種株価指数を構成する主要500社のうち、5月8日時点で440社を超える企業が決算発表を終えており、進捗率は企業数ベースで88%に達しています。そこで今回のレポートでは、米企業の2026年1-3月期決算の状況と、2026年の業績予想について確認します。
はじめに、2026年1-3月期決算の状況からみていきます。5月8日時点で、売上高の実績が市場予想を上回った割合は78%、一致した割合は0%、下回った割合は22%となっています。一方、1株あたり利益(EPS)の実績が市場予想を上回った割合は83%、一致した割合は4%、下回った割合は13%となっています。これらを踏まえると、2026年1-3月期は総じて良好な決算と考えられます。
ハイテク大手を含む通信サービスと情報技術の2026年の予想EPSは、前年比で2ケタの上昇率
2026年1-3月期のEPSについて(決算未発表企業は市場予想)、S&P500指数の11業種のうち、前年同期比の伸び率が最も大きかったのは通信サービスの54.8%で、ここにはグーグルの親会社であるアルファベットやメタなどが含まれます。次に伸び率が大きかったのは情報技術の52.5%で、ここにはアップル、マイクロソフト、エヌビディアや主要半導体メーカーなどが含まれます。
次に、2026年通年のEPSについて、市場予想をまとめたものが図表1です。改めて通信サービスと情報技術の前年比伸び率をみると、それぞれ28.6%、47.7%と、良好な予想値が示されています。図表1には2027年の市場予想も掲載しており、2027年通年のEPSの前年比伸び率は、通信サービス、情報技術ともに鈍化する見通しですが、情報技術は25.4%と、11業種のうち最も大きな伸び率が見込まれています。
良好な業績見通しは株価を支える材料に、ハイパースケーラー4社は引き続き決算内容に要注目
このように、大手ハイテク企業を含む通信サービスや情報技術のEPSは、この先も堅調な伸びが市場で予想されており、また、S&P500指数全体のEPSも、2026年は前年比で24.0%、2027年はやや鈍化するものの、それでも14.9%の伸びが予想されています。中東情勢を巡る不透明感は、まだ払拭されていませんが、市場の良好な業績見通しは、この先の米国株を支える1つの大きな材料になるとみています。
なお、図表2は、米国のハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)4社の設備投資額の推移を示したものです。2026年は計画値ですが、かなり強気の数字が示されており、過剰投資の懸念は一定程度市場に残ると思われます。引き続き、今後の企業決算におけるクラウドの売上高などの動向を見極める必要はありますが、図表1の通り、先行きの業績に関しては、現時点で市場に大きな懸念はないように思われます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。



