ホームマーケット市川レポート 経済・相場のここに注目昨日の日経平均株価の上昇をテクニカル分析で解釈する

2026年10月2日

三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩

【市川レポート】昨日の日経平均株価の上昇をテクニカル分析で解釈する

●9月10日付レポートで触れた65,800円~66,700円の価格帯を踏まえ昨日の株高を考察する。
●日経平均は昨日、三角保ち合いと一目均衡表で強い買いシグナルが点灯したが、注意点もあり。

●8月14日の高値突破や上値抵抗線のサポートなどが実現すれば、上昇トレンドの確度は高まろう。

9月10日付レポートで触れた65,800円~66,700円の価格帯を踏まえ昨日の株高を考察する

日経平均株価は10月1日、前日比2,203円(3.3%)高の68,956円72銭で取引を終了しました。終値ベースで68,000円を超えたのは8月17日以来、約1カ月半ぶりとなります。9月10日付レポートでは、日経平均のチャート上で重要な9月末の価格帯として65,800円~66,700円を挙げましたが、この点を踏まえ、今回のレポートでは、昨日の株高をテクニカル分析で解釈します。


9月10日付レポート執筆時点で、日経平均は三角保ち合いのなかで推移し、かつ、一目均衡表の雲(先行スパン1と2に囲まれた価格帯)のなかで推移していました。9月30日時点で、三角保ち合いの下値支持線は65,800円水準、上値抵抗線は66,700円水準に位置し、それぞれ一目均衡表の先行スパン1と2とほぼ重なるため、日経平均が9月末までにこれらの水準を上抜けているか、下抜けているかが焦点と解説しました。

日経平均は昨日、三角保ち合いと一目均衡表で強い買いシグナルが点灯したが、注意点もあり

9月10日付レポートでは、いくつかの理由を挙げ、日経平均は9月末までに三角保ち合いの上値抵抗線を上抜け、一目均衡表で三役好転(日足が雲の上に位置し、転換線が基準線を、遅行スパンが26日前の日足を、それぞれ上抜ける強い買いシグナル)となる余地はあると指摘しました。実際に、日経平均が上値抵抗線の上抜けと一目均衡表の三役好転を同時に達成したのは、昨日10月1日でした(図表1、2)。


三角保ち合いの上放れと一目均衡表の三役好転という強い買いシグナルが同時に点灯したことにより、テクニカル分析上、日経平均は上昇トレンド入りの可能性が高まったと解釈されます。ただ、注意点もあり、例えば売買代金をみると、10月1日は東証プライム市場で8.7兆円と、2026年度上期(4月~9月)の1日平均売買代金10.9兆円を下回っており、売買代金の増加を伴った上放れとはなりませんでした。

8月14日の高値突破や上値抵抗線のサポートなどが実現すれば、上昇トレンドの確度は高まろう

また、もう1点、市場全体のモメンタム(勢い)をみると、10月1日は日経平均が3.3%上昇したのに対し、東証プライム市場指数は0.5%の上昇にとどまり、同日の値上がり・値下がり銘柄数は、日経平均が108銘柄・115銘柄、東証プライム市場指数は750銘柄・747銘柄と、ほぼ拮抗しました。つまり、10月1日は市場全体に買いが広がった訳ではなく、値がさの人工知能(AI)・半導体関連株の上昇が日経平均を押し上げたと推測されます。


これらを踏まえると、三角保ち合いの上放れと一目均衡表の三役好転は、一時的なもの、いわゆる「ダマシ」となる恐れも残ります。目先の注目点は、日経平均が69,608円(8月14日の取引時間中の高値)を突破できるか、三角保ち合いの上値抵抗線や一目均衡表の雲の上限を割り込まずに推移できるかであり、これに売買代金と値上がり銘柄数の増加が加われば、上昇トレンドの確度はかなり高まると判断されます。