2026年10月16日
三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩
【市川レポート】日経平均株価は歴代3位の下げ幅を記録~下値目途と反発材料を探る
●9月CPIの伸びは予想を上回ったが、すでに複数回の利上げが見込まれており過度な警戒は不要。
●コアウィーブ報道を受けた株式市場の反応も行き過ぎ、ただ巨額の設備投資などへの警戒は強い。
●明日のウォーシュ議長発言と、米大手ハイテク企業の決算内容に注目、ショック消化の余地はあり。
日経平均の下落は値がさのAI・半導体関連銘柄が主導、また下げ幅自体に過度な反応は不要
日経平均株価は10月15日、前日比3,318円34銭(4.9%)安の64,425円95銭で取引を終え、下げ幅は歴代3位の大きさを記録しました。前日の米国株式市場で、人工知能(AI)向けクラウドサービスのコアウィーブの信用不安が強まり、米ハイテク株が軒並み下落、国内のAI・半導体関連銘柄に売りが波及し、日経平均の下げを主導しました。先行きがやや見通しにくいなか、今回のレポートでは日経平均の下値目途と反発材料を探ります。
なお、日経平均は値がさ株の影響を受けやすいという特徴があります。昨日の日経平均に対するマイナス寄与度の大きい上位10銘柄は図表1の通りで、値がさのAI・半導体関連銘柄が並び、この10銘柄だけで下げ幅の9割弱を説明できます。また、日経平均の下げ幅は歴代3位ですが、下落率は上位20位にも入りません。当然ながら、株価の数字が大きくなるほど、同じ下落率でも下げ幅は大きくなるため、下げ幅に過度な反応は不要と考えます。
下値目途は62,700円、61,000円、60,000円、数日で67,000円台回復なら不安は緩和へ
日経平均の下値目途は、①62,700円(9月14日の取引時間中につけた安値水準)、②61,000円(昨日10月15日時点の200日移動平均線水準)、③60,000円(心理的な節目)などが挙げられます。ただ、日経平均がこの先数日で67,000円台を回復し、明確に上昇の動きを強めることができれば、10月2日付レポートで解説した一目均衡表の雲上限(先行スパン2)と下値支持線を再び上抜けることになり、下値不安はいったん和らぐとみています。
また、昨日付レポートでも触れた通り、来週から本格化する米大手ハイテク企業の決算発表では、①先行きのAI需要と設備投資計画、②設備投資と収益成長のバランス、③フリーキャッシュフロー(純現金収支)の変化、④AI関連売上高における循環投資の構造、⑤AIインフラ投資の資金調達方法、⑥決算発表後の信用リスク動向などが注目点です。いずれも懸念がなければ、AIを巡る市場の警戒が弱まり、日経平均の反発余地は広がると思われます。
昨日大きく下げた日経平均だが昨年4月以降の上昇方向のトレンド・チャネル内で推移が継続中
最後に、日経平均について少し期間をとり、昨年からの動きに注目してみます。図表2は日経平均の週足で、「2025年4月11日終了週の取引時間中につけた安値」と、「2026年4月3日終了週の取引時間中につけた安値」を結んだ線を引き、その線に対して平行に、「2026年2月27日終了週の取引時間中につけた高値」を通る線を引いた「トレンド・チャネル」を示しています。
これをみる限り、日経平均は依然として上昇方向のトレンド・チャネル内で推移していることが分かります。参考までに下限の水準は、10月30日終了週で62,100円台、11月6日終了週で62,500円台にあり、これらも下値目途として意識されやすいと思われます。日経平均は前述の通り、短期的に値がさのAI・半導体関連銘柄の動きに左右されやすい特徴がありますが、少し長い期間でみれば、上昇トレンドは継続中と判断されます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。


