ホームマーケット市川レポート 経済・相場のここに注目日経平均株価は依然上昇方向のトレンド・チャネル内で推移

2026年10月28日

三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩

【市川レポート】日経平均株価は依然上昇方向のトレンド・チャネル内で推移

●日経平均は10月23日に61,000円台をつけたが、AI不安が和らぎ、本日一時64,000円台に。
●日経平均は200日移動平均線でサポートされ、昨年来の上昇方向のトレンド・チャネル内で推移。

●引き続き、AI関連企業の業績などに注意しつつ、トレンド・チャネル下限からの上放れ成否に注目。

日経平均は10月23日に61,000円台をつけたが、AI不安が和らぎ、本日一時64,000円台に

日経平均株価は10月6日と7日に70,790円台をつけたあと(取引時間中、以下同じ)下げ足を速め、23日には61,462円61銭まで下落しました。この背景には、米コアウィーブショックに起因する、一部ハイテク企業の資金調達や人工知能(AI)投資の持続性に対する不安などがあるとみられ、国内株式市場でも値がさのAI・半導体関連銘柄に売りが広がり、日経平均を押し下げました。


今週は、26日に米AI開発企業のアンソロピックが新規株式公開(IPO)に向けた目論見書を開示し、上場手続きの進行が確認されたことでAIを巡る投資家の心理が改善、日米の株式市場ではAI・半導体関連銘柄を買い戻す動きが強まりました。日経平均も、23日に61,462円61銭の安値をつけたあと、水準を切り上げており、本日の寄り付き後、一時64,000円台を回復しています。

日経平均は200日移動平均線でサポートされ、昨年来の上昇方向のトレンド・チャネル内で推移

日経平均の下げ幅が歴代3位の大きさを記録した翌日、10月16日付レポートでは、日経平均の下値目途として、①62,700円(9月14日の取引時間中につけた安値水準)、②61,000円(10月15日時点の200日移動平均線水準)、③60,000円(心理的な節目)などを挙げました。結果的に、10月23日時点で61,400円台に位置していた200日移動平均線が、日経平均をサポートする形になりました(図表1)。


また、同レポートでは、日経平均の週足について、「2025年4月11日終了週の取引時間中につけた安値」と「2026年4月3日終了週の取引時間中につけた安値」を結んだ線を引き、その線に対して平行に、「2026年2月27日終了週の取引時間中につけた高値」を通る線を引いた「トレンド・チャネル」を示しました。今週分(昨日まで)のデータを含めると、日経平均は依然上昇方向のトレンド・チャネル内で推移していることが分かります(図表2)。

引き続き、AI関連企業の業績などに注意しつつ、トレンド・チャネル下限からの上放れ成否に注目

AI不安は足元でいったん和らいだように見受けられますが、米国の企業決算でAI・半導体関連企業の業績にネガティブな材料が示されないかを確認しておくことは大切です。特に大手ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)については、AI関連の売上高の伸びや、設備投資のバランス、フリーキャッシュフロー(純現金収支)の変化などは、特に市場で注目されるポイントです。


また、中東情勢や原油相場の動向や、11月3日に投開票が行われる米中間選挙の結果も、引き続き注意が必要と考えます。なお、前述のトレンド・チャネルについて、下限の水準は、10月30日終了週で62,100円台、11月6日終了週で62,500円台、11月13日終了週で62,900円台に位置します。日経平均が時間の経過とともに、これらの水準から上放れていけば、上昇基調はより確かなものになるとみています。


※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。