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先月のマーケットの振り返り(2026年5月)

2026年6月2日

1.概観


株式

5月の主要な株式指数では、半導体関連株、データセンター関連株が上昇を牽引しました。特に、データセンター向けに機器、半導体、部材を供給する銘柄が上昇したほか、好業績を発表したソフトウェア株の株価も上昇しました。日米の主要株価指数は史上最高値を更新しました。長期金利の低下から、欧州でも株価指数は上昇しました。しかし、米国長期金利上昇の影響を受け易いインド、香港株は下落しました。中国もハイテク株は好調でしたが、指数は下落しました。

債券

月前半、エネルギー価格の上昇を背景に、インフレ率が上昇、各国で政策金利の引き上げ観測が浮上し、長期金利は上昇しました。米国では引き下げ観測の後退から長期金利が上昇しました。ただし、後半には中東情勢の緊張緩和期待から、長期金利は低下に転じました。英国やドイツでは、月間でも低下しています。

為替

月後半にかけ、日本政府による為替介入の効果が薄れ、円は主要通貨すべてに対し円安となりました。日銀はタカ派発言を繰り返していますが、金利以外の円安要因が多く、円安抑制にはつながっていません。米国のインフレ率が予想以上に上振れたため、米国の政策金利引き下げ観測が後退し、ドル資産からユーロ資産への流れは弱まりました。

商品

中東情勢の緊張緩和に対する期待から、原油価格は下落しました。


 

2.景気動向

<現状>

●米国の26年1-3月期の実質GDP改定値の成長率は前期比年率+1.6%でした。速報値の+2.0%から下方修正されました。個人消費(中でもサービス支出)の下方修正が主要因です。設備投資の拡大は機器の輸入増で相殺されています。

●欧州(ユーロ圏)の1‐3月期実質GDP速報値の成長率は前期比年率+0.6%でした。10-12月期の成長率は0.8%でした。

●日本の1‐3月期実質GDP1次速報値の成長率は前期比年率+2.1%となりました。10-12月期の成長率は+0.8%でした。

●中国の1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比+5.0%でした。10‐12月期の成長率は+4.5%でした。

●豪州の10-12月期の実質GDP速報値の成長率は前年同期比+2.6%でした。7‐9月期の成長率は+2.1%でした。

<見通し>

●米国の26年の実質GDP成長率見通しを+2.0%、27年見通しを+1.8%としました。AIおよびデータセンター向けを中心に設備投資は好調ですが、データセンターを構成する機器は輸入品が多いため、GDP成長率への貢献は限定的です。ガソリン価格の上昇により短期的に個人消費は停滞しそうですが、減税による可処分所得の下支えにより、景気の腰折れは回避されるでしょう。

●欧州では、26年+0.8%、27年+1.3%の実質GDP成長率見通しとしました。エネルギー価格上昇の影響で企業活動や個人消費は減速しそうですが、インフラ投資、域内防衛費の拡大など財政拡張により、26年の成長率は維持できると予想します。足元、雇用は堅調で賃金も底堅く伸びています。

●日本の実質GDP成長率見通しは、26年度を+0.7%、27年度を+1.0%としました。中東紛争の影響によるエネルギー価格の上昇や原油の供給制約など経済への負の影響は、政府の素早い対応により、かなり抑え込まれました。人手不足を背景に設備投資は堅調です。輸出も回復しており、食料品消費減税が決まれば、景気は成長軌道をたどる見通しです。

●中国では、26年+4.6%、27年+4.5%の実質GDP成長率を予想します。中国経済は、原油高への耐性を強めており、中東紛争の悪影響はかなりの部分が吸収可能と見られます。エネルギー価格の上昇は過当競争の抑制につながりますが、設備投資は抑制されそうです。しかし、輸出先の多様化が進んだ結果、全体の輸出額は増加基調で景気を下支えしています。

●豪州では、オーストラリア準備銀行(RBA)が5月5日の会合において、政策金利を引き上げました。消費者物価(CPI)の上昇率が目標レンジを上回っているためです。個人消費を中心に内需は堅調で、商品市況も底堅く推移していますが、21日に公表された失業率が予想外に上昇するなど労働市場緩和の兆しも見られます。

3.金融政策

<現状>

●12日に発表された米国の4月の消費者物価指数(CPI)は、ガソリン価格の上昇などから米連邦準備制度理事会(FRB)の目標を大きく上回る3.8%となりました。食品とエネルギーを除くコアCPIの上昇率は2.8%でしたが、こちらも目標を上回っています。20日に公開された連邦公開市場委員会(FOMC)4月の議事録は、過半数のメンバーが声明から緩和バイアスの削除を支持したこととインフレの長期化は利上げを検討する必要が生じる可能性が高いことを指摘しています。さらに28日発表の4月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年比3.8%上昇となり、政策金利の据え置き見通しが広がっているようです。

●ラガルド総裁を含め欧州中央銀行(ECB)メンバーから、6月の会合で物価見通しを上方修正するとの発言が相次いでいます。4月の会合では、データ次第かつ会合ごとに政策判断が行われることが強調されました。6月に利上げが行われる可能性が高まっているようです。

●日銀は、中東紛争を受け、展望レポートで生鮮食品を除く消費者物価指数(コアインフレ率)、生鮮食品・エネルギーを除くコアコアインフレ率の見通しを大きく引き上げました。高市政権の素早い対応により、4月のコアインフレ率は3月よりも低下しました。審議員の中には、企業物価の上昇を受け、消費者物価は上げ足を速めると予想するメンバーがいますが、コアコアインフレ率とエネルギー・食品(酒類除く)を除く消費者物価指数の上昇率は3月よりも大きく低下しており、2%を下回りました。企業は価格転嫁に苦戦しているようです。食料品向け消費税減税が行われれば、日銀は物価見通しの修正を余儀なくされそうです。

 <見通し>

●弊社では、FRBは、26年中、政策金利を据え置くと予想しています。当面は、インフレ率が高止まりする見通しであるため、ウォーシュ新議長体制になっても、26年中、政策金利は据え置かれる見込みです。原油価格の安定と関税のインフレ効果の低下が見込まれる27年に、2回利下げが行われるとの予想を維持します。

●欧州では、エネルギー価格が上昇する中、賃金上昇率の高止まりが見込まれています。財政拡張によるインフラ投資、国防支出の増加が見込まれる中で、エネルギー価格の上昇に伴うインフレ進行が見込まれるため、26年6月、9月に、ECBは0.25%政策金利を引き上げると予想します。

●日本では、エネルギー価格の上昇による所得の国外移転により、エネルギー以外の支出が減少し基調的な物価に下方圧力がかかっていますが、日銀はコアインフレ率は2%を超えると見ているようです。弊社は、日銀は政策金利の引き上げを26年6月に行うとの予想を維持しています。

4.債券

<現状>

●米国の10年国債利回り(長期金利)は上昇しました。4月のCPI上昇率は、ガソリンや航空運賃などの上昇を背景に、FRBの目標の2%を大きく上回る3.8%となり、利下げ期待どころか利上げ懸念が浮上しました。イランとの交渉も進展が見られず、中旬まで上昇が続きました。ただ、下旬にはホルムズ海峡の通行再開の合意が近づいているとの報道から、長期金利は低下しました。

●ドイツでは長期金利は低下しました。①財政支出の増加への懸念、②中東紛争を背景とするインフレ率の上昇に対応し、ECBが利上げするとの観測などから、中旬まで長期金利は上昇していました。ただし、中東情勢の緊張緩和に対する期待と国内景気悪化への懸念もあり上昇幅は小幅でした。下旬にホルムズ海峡通行再開期待が高まると、ECBの利上げ観測が浮上したにもかかわらず、長期金利は低下しました。政策金利の引き上げは、既に織り込み済みだったようです。

●日本の10年国債利回りは上昇が続きました。日銀の量的縮小政策により、元々国債需給が緩いことに加え、AI関連の株式の上昇を背景に、資金が株式にシフトしているようです。加えて、高市政権の政策対応により、CPIの上昇率が目標の2%を下回っているにもかかわらず、独自の物価上昇率を算出して利上げを行おうとする日銀への警戒感も長期金利上昇の一因と見られます。

●米国の投資適格社債については、前月比で社債利回りは横ばいでした。スプレッド(国債と社債の利回り差)は歴史的にみて低水準にあり、かつ先月より縮小しています。

<見通し>

●米国の長期金利は緩やかに低下する見通しです。中東情勢が膠着する中、FRBの利上げ懸念が浮上しており、当面は高止まりが続く見込みです。しかし、企業の利益率の悪化による雇用への悪影響を考慮すると、利上げに踏み切るハードルは高いと見られます。FRBは今の政策金利は物価抑制的と見ている模様で、利上げ観測の後退とともに長期金利は低下すると予想します。

●欧州では、長期金利は横ばいを予想します。エネルギー価格上昇を背景に、ECBは6月、9月に利上げを実施すると、弊社は予想しています。ただし、ドイツの長期金利は既に利上げを織り込んだ水準に到達している模様です。

●日本の長期金利は上昇傾向が続くと予想します。日銀は量的引き締めを継続し、需給面から長期金利に上昇圧力をかけています。さらに、弊社は、日銀がタカ派的な情報発信を行っていることを踏まえ、6月に政策金利の引き上げを予想しています。

5.企業業績と株式

<現状>

●米ファクトセット(FactSet)によれば、日米の企業業績の見通しは堅調です。5月末の米S&P500種指数の予想1株当たり純利益(EPS)は前年同月比+28.6%、TOPIXの予想EPSは同+17.6%となりました。

●米国株式市場は、半導体製造装置、電子部品、光ファイバーなどデータセンターのサプライチェーンを構成する銘柄に加え、ルーター、周辺機器など90年代の人気ハイテク株の株価も上昇し、S&P500種指数およびナスダック総合指数は史上最高値を更新しました。NYダウも前月比+2.78%上昇し、史上最高値を更新しました。S&P500種指数は同+5.15%上昇しました。

●日本株式市場では、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)の上昇に追随する形で、半導体関連株、電子部品、電子部品材料株が上昇し、日経平均は史上最高値を更新しました。日本メーカーが強みを持つ半導体材料、電子部品、光関連に物色対象が広がったことから、日経平均は2桁上昇となり、TOPIXも史上最高値を更新しました。日経平均は月間で+11.88%上昇し、TOPIXは+6.17%上昇しました。

<見通し>

●米国株式市場は、減税効果と中東有事により進行した米ドル高の修正が企業業績を押し上げ、緩やかに上昇すると予想します。特に、内需関連、ハイテク関連企業などに業績の上方修正余地があると考えます。米国は世界最大の産油国で液化天然ガスの輸出国であることから原油価格の高騰は景気にはプラス材料です。しかし、ガソリン価格の上昇などによりインフレ率が上振れ、FRBの利上げ観測が高まる、長期金利の上昇が長期化する、などの場合には株価の重石となりそうです。

●日本株式市場は、上昇基調が続くと予想します。電子部品、半導体関連株などハイテク関連株を中心に企業業績は堅調で、高水準の原油価格が続いても、増益基調を維持できそうです。高市政権の後押しにより、賃金と物価の好循環や企業統治改革といった前向きな動きが続きそうです。自社株買いなど株主還元強化への期待も、株価の上昇要因です。リスクとしては、原油価格の高騰が想定以上に長期化することが挙げられます。

                                                                                                                                                                                               

6.為替

<現状>

●円の対米ドルレートでは、4月末と月初の為替介入の効果が薄れ、円安となりました。資金循環統計や対外証券売買動向をみると、日本人は日本国債を売却し、国外の中長期債や株式を購入しています。4月末から5月上旬にかけ、日本人は外国株式・投資ファンドを売り越しました。介入で円高になり、利益確定売りを行ったことが一因と見られます。しかし、中旬以降は、AI関連株の上昇を受け株式の売却が減少し、中長期債の買い越し額が拡大するとともに円安となりました。

●ユーロ・米ドルレートは、ユーロ安となりました。月初は、中東の緊張緩和期待と原油価格の下落を背景にユーロ高となる局面がありました。一方で、インフレ率上昇に伴う米国の長期金利上昇はドル高要因となっています。エネルギー価格の上昇を背景に、ECBの利上げの公算が高まっていますが、ドル高要因が勝っているようです。日銀のタカ派発言にもかかわらず、日銀の利上げの確率は、ECBの利上げよりも低いと見られているようで、ユーロ・円レートでは若干ユーロ高となっています。

●豪ドルは、月前半、RBAが様子見の他の中銀と一線を画し利上げに踏み切ったことから、米ドルに対しても上昇しました。しかし、21日の雇用統計が予想外に悪化し、米ドル高に転じました。対円では、米ドルへの為替介入で、前月末一時的に豪ドル安となりましたが、その後は円安方向に再修正されています。

<見通し>

●円の対米ドルレートは、もみ合う展開を予想します。日銀が段階的に利上げを進める中、FRBは27年に利下げを再開する見通しで、金利差の縮小が円高要因と見ます。一方、①対外直接・証券投資の拡大、②原油高による日本の貿易収支の悪化懸念などは、円安要因となりそうです。

●円の対ユーロレートは、弱含む展開を予想します。中東情勢が落ち着けば、有事に進行した米ドル高は修正されるとみます。金融政策ではFRBが様子見から利下げ、ECBは利上げを行うと、弊社は予想しており、中期的に対米ドルではユーロ高が進む見通しです。ユーロ圏の高水準の経常収支の黒字は、円に対してユーロ高要因となる見込みです。

●円の対豪ドルレートでは、やや円安を予想します。RBAが5月に追加利上げを行っており、豪米の金利差は拡大し豪ドルの上昇要因となっています。豪州は石油輸入国ですが、LNGや石炭の輸出額は世界有数の規模です。中東紛争は豪ドル相場のマイナス材料とはならないでしょう。円に対しても強含む見通しです。

7.リート

<現状>

●グローバルリート市場(米ドルベース)は、若干下落しました。中東情勢の不透明感やホルムズ海峡封鎖に伴うエネルギー価格上昇を背景に、日米で長期金利が上昇したことがリート市場のマイナス要因となりました。家賃、賃料、データセンター稼働率など不動産市場のファンダメンタルズは堅調に推移しています。米国では長期金利は上昇したため、これまで堅調に推移していた高齢者住宅セグメントのリートに利益確定売りがでました。一方、長期金利が低下に転じた欧州リート市場は堅調でした。

●日本では、長期金利の上昇がリート指数の重しとなっていますが、オフィス賃貸市場や賃貸住宅市場のファンダメンタルズは改善しています。4月は海外投資家、証券会社の自己取引部門、個人は売りに動きましたが、投資信託、事業法人、銀行、生・損保、その他金融法人(銀行、生・損保を除く)など金融機関が買い越しました。

●S&Pグローバルリートインデックスの5月のリターンは前月末比▲0.29%下落しました。月間の換算用の円ドルレートは円安となり、円ベースのリターンは同+1.29%となりました。

<見通し>

●グローバルリート市場は、ウェイトの大きい米国の長期金利の動向に左右される状態が続きそうです。米国のAI投資の拡大や活用が活発化していることは、データセンターなどインフラ関連のセグメントのパフォーマンス向上に貢献しそうです。欧州および豪州など、日本以外の市場ではデータセンターは重要なセグメントとなっています。アジアのリート市場では、米国の利下げ期待がプラス要因となりそうです。

●日本では、中東紛争の不透明感や長期金利の上昇が重荷となる一方、国内景気が回復に向かい、リート市場を下支えしそうです。主要セクターであるオフィスセクターでは、新規契約賃料の上昇が続いています。また、賃貸住宅市場でも、住宅価格、賃料共に上昇しています。長期金利の上昇や人手不足から、住宅、オフィス共に新規着工が減少していることは、将来的には需給面でのプラス要因となりそうです。また、分配金成長目標を掲げるリートが増えていることも、リート市場の活性化につながるでしょう。ただ、日銀の更なる利上げ観測だけが、リート市場に対する向かい風となっています。

8.まとめ


債券

●米国の長期金利は緩やかに低下する見通しです。中東情勢が膠着する中、FRBの利上げ懸念が浮上しており、当面は高止まりが続く見込みです。しかし、企業の利益率の悪化による雇用への悪影響を考慮すると、利上げに踏み切るハードルは高いと見られます。FRBは今の政策金利は物価抑制的と見ている模様で、利上げ観測の後退とともに長期金利は低下すると予想します。

●欧州では、長期金利は横ばいを予想します。エネルギー価格上昇を背景に、ECBは6月、9月に利上げを実施すると、弊社は予想しています。ただし、ドイツの長期金利は既に利上げを織り込んだ水準に到達している模様です。

●日本の長期金利は上昇傾向が続くと予想します。日銀は量的引き締めを継続し、需給面から長期金利に上昇圧力をかけています。さらに、弊社は、日銀がタカ派的な情報発信を行っていることを踏まえ、6月に政策金利の引き上げを予想しています。

株式

●米国株式市場は、減税効果と中東有事により進行した米ドル高の修正が企業業績を押し上げ、緩やかに上昇すると予想します。特に、内需関連、ハイテク関連企業などに業績の上方修正余地があると考えます。米国は世界最大の産油国で液化天然ガスの輸出国であることから原油価格の高騰は景気にはプラス材料です。しかし、ガソリン価格の上昇などによりインフレ率が上振れ、FRBの利上げ観測が高まる、長期金利の上昇が長期化する、などの場合には株価の重石となりそうです。

●日本株式市場は、上昇基調が続くと予想します。電子部品、半導体関連株などハイテク関連株を中心に企業業績は堅調で、高水準の原油価格が続いても、増益基調を維持できそうです。高市政権の後押しにより、賃金と物価の好循環や企業統治改革といった前向きな動きが続きそうです。自社株買いなど株主還元強化への期待も、株価の上昇要因です。リスクとしては、原油価格の高騰が想定以上に長期化することが挙げられます。

為替

●円の対米ドルレートは、もみ合う展開を予想します。日銀が段階的に利上げを進める中、FRBは27年に利下げを再開する見通しで、金利差の縮小が円高要因と見ます。一方、①対外直接・証券投資の拡大、②原油高による日本の貿易収支の悪化懸念などは、円安要因となりそうです。

●円の対ユーロレートは、弱含む展開を予想します。中東情勢が落ち着けば、有事に進行した米ドル高は修正されるとみます。金融政策ではFRBが様子見から利下げ、ECBは利上げを行うと、弊社は予想しており、中期的に対米ドルではユーロ高が進む見通しです。ユーロ圏の高水準の経常収支の黒字は、円に対してユーロ高要因となる見込みです。

●円の対豪ドルレートでは、やや円安を予想します。RBAが5月に追加利上げを行っており、豪米の金利差は拡大し豪ドルの上昇要因となっています。豪州は石油輸入国ですが、LNGや石炭の輸出額は世界有数の規模です。中東紛争は豪ドル相場のマイナス材料とはならないでしょう。円に対しても強含む見通しです。

リート

●グローバルリート市場は、ウェイトの大きい米国の長期金利の動向に左右される状態が続きそうです。米国のAI投資の拡大や活用が活発化していることは、データセンターなどインフラ関連のセグメントのパフォーマンス向上に貢献しそうです。欧州および豪州など、日本以外の市場ではデータセンターは重要なセグメントとなっています。アジアのリート市場では、米国の利下げ期待がプラス要因となりそうです。

●日本では、中東紛争の不透明感や長期金利の上昇が重荷となる一方、国内景気が回復に向かい、リート市場を下支えしそうです。主要セクターであるオフィスセクターでは、新規契約賃料の上昇が続いています。また、賃貸住宅市場でも、住宅価格、賃料共に上昇しています。長期金利の上昇や人手不足から、住宅、オフィス共に新規着工が減少していることは、将来的には需給面でのプラス要因となりそうです。また、分配金成長目標を掲げるリートが増えていることも、リート市場の活性化につながるでしょう。ただ、日銀の更なる利上げ観測だけが、リート市場に対する向かい風となっています。